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 懲戒免職処分を受けて教員免許が失効したのに、教育職員免許法が定める官報への氏名掲載が行われなかった教員が2019年度までの10年間、10都道府県で61人いたことが、文部科学省のまとめでわかった。このうち47人がわいせつ事案で、取材に対して被害者の保護を不掲載の理由とする自治体もあった。文科省は各教育委員会などに改善を指導し、3日までに不掲載はすべて解消された。

 懲戒免職で失った教員免許は最短で3年後に再取得できる。わいせつ行為で免職になった教員が再び教壇に立つことを防ぐため、文科省は官報に掲載された教員免許の失効情報を検索できるツールを自治体に提供している。だが、10都道府県の教委で官報への不掲載があり、このツールによる検索の対象から漏れていた。

 文科省は10都道府県の名を公表していないが、朝日新聞の取材では、不掲載があったのは北海道、宮城、千葉、東京、岐阜、大阪、広島、佐賀、熊本、沖縄。このうち宮城、千葉、佐賀、熊本の4県は不掲載だった理由について、「被害者の特定を避けるためだった」と説明した。宮城県の担当者は、「教員による勤務校や過去に勤務していた学校の教え子に対するわいせつ行為で、被害者側からの要望もあり、被害者特定を避けるための配慮だった」とした。

 残る6都道府県は事務処理上のミスと答えた。北海道によると、掲載漏れの事案には、50代の男性教諭が校舎内で女子児童にわいせつ行為をした事案や、20代の男性教諭が女子生徒を学校に呼び出しキスをした事案も含まれていた。

 文科省は免許を再取得した教員が処分歴を隠したまま採用されないようにするため、当初は過去3年間だったツールの検索対象期間を順次延ばし、昨年10月に5年間に、今年2月からは40年間にした。萩生田光一文科相は5日の記者会見で、被害者保護の重要性に理解を示しつつ、「何年もそのまま放置しておくのは、ちょっと違うんじゃないかと思う。これだけの社会問題になっているのだから、ルール通りの対応をしていただくことを期待している」と述べた。(鎌田悠、三島あずさ)

被害者特定の懸念も 悩む自治体

 教員によるわいせつ事件を防ごうと、自治体は苦慮している。

 神奈川県は、教員と児童生徒の…

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