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 日米豪印の4カ国(QUAD)による初めての首脳協議が近く開かれることになった。18日夜の外相電話協議でも初開催の方針を確認した。台頭する中国を牽制(けんせい)する狙いで始まったQUADの枠組みが、米バイデン政権のもと発展する。首脳協議に慎重だったインドに配慮し、日本政府は環境整備に腐心している。

 茂木敏充外相は18日の協議後、記者団から首脳協議の見通しを問われ、「首脳レベルの協力も必要だということでは当然一致している」と述べた。日本政府関係者によると、オンライン形式で近く開催する方向で調整しているという。

 QUADの枠組みをめぐっては2017年に局長級、19年に外相会談を初開催し、昨年10月の外相会談で定例化を確認した。日本外務省関係者は「次は首脳級というのは皆が望んでいたことだ」と歓迎する。

 首脳協議の初開催はQUAD重視の姿勢を示すバイデン政権が打診したが、インドは慎重だった。昨年は中印国境での軍事衝突で対中関係が悪化し、07年以来となる4カ国の海上共同演習が実現するなど関係深化が進んだ。だが、先月には中印両軍が一部国境地域からの撤退で合意しており、インド外交当局者は「今は微妙な時期」と話す。

 日本外務省幹部も「インドは中国と非常にセンシティブな関係。(首脳協議に向け)インドが心地良い形をつくることが重要だ」と指摘。首脳協議に向けて、「対中包囲網ではない」「安全保障の枠組みではない」と強調している。

 日本側の発表によると、18日の協議では茂木氏が、中国の海警部隊に武器使用を認める「海警法」に関する深刻な懸念を表明し、東シナ海・南シナ海での力による一方的な現状変更の試みに強く反対することで一致した。ミャンマー情勢も取りあげ、早期に民主的な体制を回復する必要性で一致した。(北見英城、佐藤達弥、ニューデリー=奈良部健)