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 人生の最後を締めくくる「終活」の大事さは頭の中で分かっていても、具体的に何をすべきか――。そんな悩みに応えるため、三重県多気町の僧侶が一つのチームをつくった。心の悩みだけではなく、弁護士ら実務の専門家も加わり、必要な準備も説明してくれる。毎月第4土曜日をめどに無料相談会を開き、支援の輪を広げていく。

 「終活サポートみえ」と名付けられたチームの発起人は、多気町神坂、天台宗「金剛座寺」住職の染川智勇(そめかわちゆう)さん(54)。これまでに多くの人生相談を受けてきた。悩み事には懸命に耳を傾けているが、遺産の相続など、終活の現実的な問題になると、専門的なアドバイスができず、もどかしさを感じていた。

 転機は、昨年7月に訪れた。ビジネス交流会で異業種の専門家らと出会った。自らの思いを打ち明けたところ、終活の相談を受けるチームのアイデアがまとまった。そして今年1月、発足にこぎつけた。

 チームには染川さんをはじめ、弁護士、司法書士、行政書士、税理士のほか、不動産、保険、廃棄物処理の業者が名を連ねた。葬儀会社などが企画する終活相談会は多くあるが、僧侶が中心となって無償で取り組むのは、「珍しいのでは」と染川さんは言う。

 終活をめぐる問題は多岐にわたる。例えば、遺産の相続だけをみても、金額、隠し子の存在、借金などの「負の遺産」がトラブルになりえる。空き家や遺品処分、保険、墓など、金銭につながる事柄が多く、親族間の対立に発展するケースも珍しくない。

 染川さんは「終活は年齢を重ねてから始めればいいと思うかもしれないが、誰しも、いつ健康を害し、自分で準備できなくなるか分からない。結婚したら、すぐに取り組むくらい早くていい」と勧める。

 1回目の相談会は2月27日、三重県伊勢市内のレストランで開かれた。参加した県内在住の男性は、高齢の母親について相談した。「早くしたほうがいい準備と、後回しにしてもいいことが整理できて、気持ちが楽になった。参加して良かった」と話した。

 染川さんは「経済的な問題で終活を諦める人がいるが、お金がなくても自治体の支援など、さまざまな選択肢がある。我々の取り組みが、多くの人にとって終活を考えるきっかけになればうれしい」と話す。

 次回の相談会は27日に予定されている。申し込み、問い合わせは、事務局長で行政書士の山口佳孝さん(090・3423・8370)。「相談内容は絶対に守秘します。できれば事前に申し込んで下さい」(山口さん)としている。(渋谷正章)

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