「ウーマン川柳」続々投稿 本音や違和感、共有したい

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前田朱莉亜
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 「どんなときも女性にばかり愛嬌(あいきょう)が求められるのはおかしい」「ご飯を作るのは母親だけの役割じゃない」「仕事を頑張っているのは、将来の夫を見つけるためじゃない」――。

 日常生活の中で女性が感じた違和感や、周囲に話せずにいた本音を「川柳」としてツイッターに投稿する取り組みに、共感が広がっています。きっかけとなった「#ウーマン川柳2021」のハッシュタグ作成者や投稿者に話を聞きました。

「サラリーマン川柳」 ハッシュタグ作成のきっかけに  

 「#ウーマン川柳2021」のハッシュタグは、大学生のArataさん(24)が1月末に作った。はじめは仲間内だけでつぶやくために始めたが、共感の輪が広がり、多くの「本音」を込めた川柳が投稿されている。

 きっかけは、1月に発表された「サラリーマン川柳」だった。民間企業が募集するもので、今年はコロナ禍を反映させた句が多かった。ただ、選ばれた句を見ると男性目線の川柳が多いように感じたという。「家で妻に邪魔者扱いされる、給付金は妻の懐に入ったなど、報道されている女性の苦境とのギャップがあるように思えた」と話す。

 学校が休校になり、子どもの世話のため仕事を辞めざるを得なくなった。夫からDV被害に遭い、特別定額給付金を受け取ることができない――。こうした状況にある女性の声も含め、多様な意見を発信できる場を作れないか。そんな思いから、「#ウーマン川柳2021」が生まれた。

 「フォロワーさんと投稿しあえればいいかな」と思って始めたところ、フォロワー以外にも投稿に共感する人が続出し、多くの作品投稿につながった。「全くの想定外でした」

 投稿のテーマは実に様々だ。コロナ禍にとどまらず、結婚や出産、家事や育児についての作品もあれば、選択的夫婦別姓や性的同意についての川柳を詠み、自分の意見を発信する人もいる。「これまで取り上げられにくかった声を聞くことができた。ハッシュタグを作って良かったなと思います」

 誰かと比べるわけでも、順位をつけるわけでもなく、好きに自分たちの話をするだけの場所だったからこそ、投稿が広がったのだと思っている。「ツイッターだけでなく、より多くの場面で、多様な女性の声が受け止められる社会に変わっていけばいい」。集まったたくさんの投稿を見ながら、そう願っている。

「お茶美味い 誰が入れても 同じ味」

 会社員の30代女性は、以前の勤務先で「お茶くみは女の人の役割」と言われたことを思い出し、この川柳を投稿した。

 地方の建設関係の会社に技術職として就職。周囲は男性ばかりで、入社時に掃除やお茶くみは女性社員の仕事だと指示された。社長は「女の子が入れた方がお茶がおいしいから」と理由を説明。おかしいと思い、10歳上の男性の先輩に相談したが、「俺も男の人が入れたお茶なんて飲みたくない」と言われたという。

 社長からは「仕事をがんばって、良い旦那を見つけるんだよ」という言葉もかけられた。仕事上の成果をあげることと、将来の夫を見つけることがどう関係するのか、全く分からなかった。その時の思いを込め、こんな川柳も投稿した。

 いい旦那 見つけるための 仕事じゃない

 当時の出来事を「本人たちは悪気なんて1ミリもなかったんだろうなと思う。そこがすごく苦しかった」と振り返る。自分なりに意見を述べたり環境を変えたりしようとしたが、最終的には諦めて会社を去った。

 痛感したのは、「本人の考えが無意識ににじみ出ている差別発言」への対応の難しさだ。「多くの人が『それは侮辱だ』と思うような発言なら、私も怒れる。でも、どうして差別なのかを説明しないといけないような場合、こちらの不快感がなかなか相手に伝わらず、自分一人だけが疲れておしまいになっちゃう」

 ジェンダーに関する心のモヤモヤを面と向かって男性に伝えるのは、まだハードルが高いと感じている。

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