東京音大、3.11に卒業曲ライブ配信 コロナと震災と

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編集委員・氏岡真弓
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 コロナ下の卒業式で合唱できない子どもたちに、歌を贈りたい。そう考えた東京音楽大学(東京都目黒区)の教員と学生約50人のチームが11日午後2時から、卒業ソングをライブ配信する。11日は東日本大震災が発生した日で、被災地の中学で生まれた曲も含めた。「非常時に音楽と音大が何ができるか考えた」とメンバーは話す。

 ライブ配信を計画したのは、同大特任講師でレコーディングディレクターの坂元勇仁(ゆうじ)さん(59)。

 新型コロナウイルスの感染を防ぐために、各地の児童生徒が合唱できずにいることが、ずっと気にかかっていた。さらに昨年11月、森山直太朗さんの「さくら(二〇二〇合唱)」を使い、コロナ禍で苦しみながら春を目指す受験生を描いたCMのレコーディングを担当。「コロナで苦しむ子どもたちのために音楽ができることは何か」と考えて発案した。

 きっかけは、もう一つある。東日本大震災だ。被災地の福島県南相馬市立小高(おだか)中学校で音楽の小田美樹教諭と生徒たちが作った曲「群青(ぐんじょう)」を知り、小田教諭の話を指揮者で同大教授の広上(ひろかみ)淳一さんと聞いた。その時、広上教授が語ったのが「災害が起きた時、音大が社会貢献としてできることはないか」という言葉だった。

特集企画「海からみた被災地」

東日本大震災による津波は、陸地だけでなく海の中にも大きな被害をもたらした。大量のがれき、失われた漁場……。あれから間もなく10年。豊かな海はどう変わったのか。震災3カ月後から継続的に被災地の海を潜水取材してきた朝日新聞フォトグラファーたちが報告する。

 コロナと震災と。坂元さんが今回の配信日時を大震災の発生日時に合わせて11日午後2時からにしたのも、「二つの非常時に音楽と音大ができることは何かを考える機会にしたい」と思ったからだ。

 コロナで悔しい思いをしたのは子どもたちだけではない。演奏する側の音大の学生や院生もだ。「授業がオンラインになり、演奏の場がなくなってつらかった」と指揮を担当する4年の岡本陸さんは振り返る。

 合唱とオーケストラで演奏す…

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