琵琶湖のプラナリア、1年捕獲できず 中高生姉妹が発見

編集委員・永井靖二
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 胴体を切断しても再生することで知られる淡水生物プラナリア。その仲間のうち、琵琶湖固有種「ビワオオウズムシ」がこの1年間、確認できていない。その調査を手がけたのは、大津市の中高生姉妹だった。

 プラナリアの体は高い再生能力を持ち、切り分けても、それぞれが小さな個体となる。国内で知られるプラナリア科は19種。うちビワオオウズムシは最大の種で体長は約5センチに達し、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている。

 高校1年生の佐藤瑠乃(るの)さん(16)と中学3年生の爽音(さやね)さん(15)姉妹は、認定NPO法人「びわ湖トラスト」主催の小中学生向け研究者育成講座「ジュニアドクター育成塾」に2018年から参加していた。

 2人はこれまで、湖底で採取された個体で再生能力を調査。両断された個体が約1週間で2匹の小さな個体に再生したことを確認した。引き続き調査しようと、2人は手製の捕獲器を毎月、調査船から湖底に沈めた。ところが過去に多数捕獲され、探査機の画像では群れのように写っていることもあったビワオオウズムシが、この1年間全く捕獲できなかった。

 原因と考えられているのは琵琶湖の水質だ。琵琶湖では冬から春先に湖底と表層の水が入れ替わる「全層循環」が、19年から2年続けて停止。温暖化の影響などによるものとみられている。ビワオオウズムシが好む水温は8度前後で、以前の記録では水深30~40メートルに生息するとされた。全層循環の停止により、20年には湖底の最深部(水深60~80メートル)でも水温は9度超。酸素濃度も少なくなっており、2人はビワオオウズムシは壊滅的な被害を受け、激減したと結論づけた。

 一方、今年2月には全層循環が3年ぶりに確認された。瑠乃さんは「再生能力の高い生物なので、絶滅していないと信じたい」。爽音さんは「そのためにも調査を続けたい」と話す。

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