【アーカイブ】男と女 「旧姓山田」 クジで姓を決める

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1971年2月14日付の朝日新聞に掲載された連載「男と女」

(当時の考え方や時代背景を忠実に伝えるため、全文を掲載します。漢字の送り仮名などは当時の記事のまま。登場人物の名前は、本人や遺族らに再掲の了承をいただいた人以外は、匿名にしています)

 なんでだろう、とA子さんは思う。彼女の姓をかりに「山田」としておこう。

 仕事につかう自分の名刺をいつものように会社に作ってほしいと頼んだら、断られた。「あなた結婚して“鈴木”さんになったんでしょう。ちゃんとしてくれなくちゃ困ります」―「それはそうだけど私はこれまで山田で仕事をしてきたし、山田で知られているのよ。いちいち名刺を出して、こんど結婚して名前が変りました、なんて仕事と関係ないじゃない」

 彼女の友だちに、テレビによく出る人がいる。その人は「結婚して姓が変ります」と申出たら、逆にテレビ局からいわれた。「困ります。あなたは今の姓で知られているんですから」。何気なく使っていた姓が、ある日、重大な意味をもってくる。

家族制度のシッポ

 民法七五〇条 夫婦は婚姻の際に定めるところに従い夫又は妻の氏を称する。

 法律用語では「氏」だが、つ…

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