患者に寄り添う志新たに、看護学校卒業式

佐藤純
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 「白衣につつむ 若きほこり 意志こそ炎と燃えよ」。新型コロナの感染を防ぐため、卒業式は、スピーカーから流れるCDの校歌に合わせたハミングで始まった。6日、東京都八王子市立看護専門学校の卒業式があり、41人の卒業生が苦境が続く医療の世界へ巣立った。

 午前10時、家族や教職員らが待つ講堂に、白と水色の実習服姿の3年生が入場した。実習先の病院関係者をはじめとする来賓の招待を見合わせ、在校生も送辞を読む1人だけ。出席する人数を全体で例年の半分ほどに絞った。

 一人ひとりに卒業証書を手渡した藤倉四郎校長は、「世界的な感染症拡大に直面し、看護職の役割は重要性を増している。このような時代に看護を担う人材に求められることは、向上心を持って知識や技術をさらに高める不断の努力ではないでしょうか」と語りかけ、「自信を持って進んでいってほしい」とはなむけの言葉を贈った。

 卒業生の7割が市内の医療機関に、ほかも多くが多摩地域の医療機関で働く予定だ。そのうち3割ほどは、コロナ患者を受け入れている病院に就職する。

 今春の卒業生は3年生になった昨年春以降、実習先の病院がコロナ対応に追われたため、ほぼ半分の時間を校内での実習に切り替えざるを得なかったという。

 卒業生代表で答辞を読んだ白仁田(しらにた)幸枝さん(43)は、実習の急な変更で不安を感じた当時を振り返り、「先生方の熱心なご指導のおかげで、実習をすべて終了することができました」と感謝の言葉を述べた。

 白仁田さんは、介護の仕事を経験し、40歳のころに入院した病院で、患者に寄り添ってくれた看護師の姿にあこがれ、看護師を志した。卒業して市内の病院で働く。式を終えて、「コロナを恐れるだけでなく、正しい知識で感染を予防し、患者さんを支えていきたい」と話した。

 卒業生の吉田太平さん(27)は、実習先の医療従事者らが感染予防に細心の注意を払う姿を見て、厳しい世界であることを実感した。自分が感染すると、同じ学校の仲間も実習を受けられなくなる可能性があるため、緊張の日々だったという。就職先は精神科病院。「コロナ禍で生活が大きく変わってストレスをかかえた人たちもいると思うので、がんばって看護したい」と話した。(佐藤純)