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辺野古埋め立て工費、当初の1.6倍に 入札経ずに増額

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藤原慎一
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 米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、防衛省が埋め立て工事の契約変更を繰り返し、発注から2年半で工費が当初の259億円から416億円と、約1・6倍に増えていたことが朝日新聞の調べでわかった。入札を経ずに増額を重ね、理由についても書類には「計画調整」などとしか記されていない。「公共工事に求められる競争性と透明性が欠落している」と専門家は指摘する。

 契約関係書類や防衛省への取材によると、工費が増えていたのは、沖縄防衛局が2018年3月に発注した「シュワブ(H29)埋立工事」の1~3工区。18年12月14日に政府が土砂投入を始めた米軍キャンプ・シュワブ南側(約39ヘクタール)の区域にあたる。

 1~3工区いずれも18年2月に一般競争入札を行い、大手ゼネコンと沖縄の業者による共同企業体(JV)が計約259億円で3月に契約した。落札率は90・6~91・1%だった。しかし、3月から20年9月末までに1工区で3回、2、3工区でそれぞれ5回、増額を伴って契約が変更され、工費は計約416億1千万円に増えていた。

 また、増額を伴わない契約変更も含めると工期も2~3回延長され、計1年延びた。政府が全体の工事完了まで12年かかるという再試算を示した19年12月以降の契約変更もあり、1~3工区で再試算時よりもすでに半年の遅れが生じている。

 沖縄防衛局は工事の契約についてホームページで公開しているが、当初契約の金額や受注業者などの概要が記されているだけで、変更があったことは沖縄防衛局の窓口で「変更契約調書」を閲覧するか、情報公開請求をしなければわからない。朝日新聞は沖縄県嘉手納町にある防衛局の窓口で調書が入ったファイルの閲覧を求め、内容を確認した。

 ただ、調書でも、変更理由は「計画調整」「現場精査」「計画変更」としか記されていない。新たな工事内容の記載もない。

記事の後半では、膨らむ予算を詳細に見ていきます。専門家の意見も聞きました。

 取材に対し防衛省は、1~3工区の契約時の工事内容は、護岸で仕切られた区域の埋め立てや、赤土の流出防止対策などと説明している。契約変更の理由については、埋め立て材の運搬方法の変更▽台風に備えた資機材の移動▽仮設排水路の変更、として、いずれも発注者である防衛省側の事情による変更と回答。契約変更が窓口の閲覧や情報公開請求でしか確認できないことについては取材に「適切に公開させていただいている」と答えた。

 辺野古の埋め立て予定海域で…

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