墓の永代管理費、45年前払ったのに 規約消え毎年請求

鈴木裕
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 墓所の「永代管理費」の規定が、知らないうちに管理規約から消えていた――。公益財団法人が管理・運営する愛知県の長久手市卯塚墓園をめぐり、45年前に永代管理費を支払った人から戸惑いの声が出ている。

 旧長久手町の町議だった林貞雄さん(85)は、卯塚墓園の募集が始まったころに永代使用を申し込み、管理規約に従って永代使用料と永代管理費を払った。当時、1700人ほどが永代使用を申し込んだという。

 ところが、23年前から「年間管理費」の請求が届くようになり、毎年支払ってきたという。長年の疑問を解こうと今年2月、法人の運営事務を実質的に担当している長久手市環境課に質問状を出したところ、1997年に規約が変更されて永代管理費の規定が無くなっていたことが判明した。

 「規約変更についての説明を受けたことは、当時も、それ以降も無いし、規約自体も見たことがなかった。永代使用者を無視した一方的な規約の変更は納得できない」と林さんは指摘する。

 卯塚墓園の最初の管理規約(1975年施行)は、1区画5平方メートルの墓所の「使用料および管理費」として永代使用料8万円、永代管理費4万円と定めていた。同市環境課によると、96年に法人の理事会・評議会が規約を変更。永代管理費の規定は無くなり、年間管理費を1区画あたり年間3千円と定めた。

 同年8月、永代使用者宛てに「(法人の)基金運用利息だけでは管理費がまかなえなくなった。(97年度から)年間管理費3千円を徴収する」という内容の文書を送り、97年度から年間管理費を請求している。墓園の管理費支出は、年間約1千万円(2019年度)。

 同課の冨田俊晴課長は「(法人の運営を決める)理事会や評議会の議事録は残っておらず詳しい経緯はわからないが、規約変更の法的な手続きに問題はない。永代使用者には、(1996年8月の)文書をもって(年間管理費に変更したことに)合意してもらったと考えている」と説明する。

 林さんは「文書には規約を変更したことが書かれていなかった。変更後の規約も、質問状を出さなければ公開されなかった」と疑問を投げかける。年間管理費に納得せず、支払いを拒否している永代使用者も30人ほどいる。不払いを続けている男性は「規約通りに永代管理費を払ったのに、後になって変更された規約を当てはめるのはおかしい」と主張する。

 林さんは「規約を変更する前に永代管理費を納めた人の意見を聴くべきだった。今からでも説明の場を設けてほしい」と話している。(鈴木裕)

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〈長久手市卯塚墓園〉同市卯塚2丁目にあり、市直営の墓石付き芝生墓所や樹木型合葬式墓所がある約1万7千平方メートルの墓園と、公益財団法人「卯塚緑地公園協会」が運営する和式墓地約1万7千区画がある約5万1千平方メートルの墓園で構成される。