ニューヨーク=鵜飼啓
米国の連邦や地方の選挙で、性的少数者の「LGBTQ」である候補者の当選が増えている。支援団体によると、2020年には、LGBTQを公言した候補が少なくとも782人立候補し、史上最多の334人が当選した。議会の審議に性的少数者の声が反映されるほか、行動の手本となる「ロールモデル」としても注目されるなど、多様性がさらに進む循環が生まれている。(ニューヨーク=鵜飼啓)
「私が提案者の一人となり、ほかの議員と話をすることで、なぜこの法案が大事なのか分かってもらうことができた」
生まれたときの性とは違う性で生きるトランスジェンダーとして初めて、昨年11月にバーモント州議員に当選したテイラー・スモール州下院議員(26)は、2月末に委員会を通過した法案についてこう話す。
法案は、ゲイやトランスジェンダーに対する暴行などの犯罪で、加害者が被害者の性的指向や性自認を知り、パニックで心神喪失状態になった、と主張することを禁じるもの。トランスジェンダー女性であることを理由に嫌がらせを受けたこともあるスモール氏がいることで、下院での議論は進んだ。問題は上院側だ。スモール氏は「私を証言に呼ぶなどして、認識を深めて欲しい」と語る。
スモール氏は振る舞いなどから…
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朝日新聞国際報道部