アンケート性別、なぜ男女のみ? 社会変えるデータ公開

花房吾早子
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 性の多様性に関するさまざまなデータが一覧できるサイト「NIJI BRIDGE(にじブリッジ)」(https://nijibridge.jp/別ウインドウで開きます)が開設された。LGBT(性的少数者)が働きやすい職場づくりを支援する団体が作った。めざす「架け橋」の役割とは。

 「LGBTの声を、社会を変える力に。」。にじブリッジのサイトを開くと、こんなメッセージがまず飛び込んでくる。

 サイトでは、同性カップルに公的な証明書を出すパートナーシップ制度を始めた自治体の数(今年1月8日時点で74、人口では全国の33・4%をカバー)、LGBTの人口は約3~8%(2019年の大阪市民を対象とした調査)といったデータが公開されている。

 「LGBTの心の健康はそうでない人より悪い傾向にある」「LGBTへの施策が多い企業で働く人ほど職場で安心して自分の考えや感情を表しやすい」といった調査結果も載せた。

 サイトは認定NPO法人虹色ダイバーシティ(大阪市北区)が昨年末に開設した。

 虹色ダイバーシティは12年から、どんな性別や性的指向の人も働きやすい職場環境について、全国で研修を開いてきた。そうしたなか、企業の人事担当者からは「社内研修の資料用にデータがほしい」と問い合わせを受けることが増えた。

 そこで、よく聞かれる項目について、行政との共同調査や専門家の学術研究など、信頼性が高い最新データをサイトでわかりやすく示すことを考えた。

「ファクトが必要」

 サイトでは、データを生かしやすいデザインにもこだわった。白黒印刷でもわかりやすい色にしたほか、メールやSNSで拡散できる「シェア」ボタンもつけた。より詳しく知りたい人のためにデータの出典元へのリンクも貼っている。

 虹色ダイバーシティの村木真紀代表(46)は「国や自治体、企業に取り組みを促すには、定量的なファクトが必要」と話す。

 性別は男女だけではなく、性的指向は異性愛だけではないという認識は近年社会に広がりつつある。

 だが世間で実施されているアンケートの多くは性別欄が男女のみとなったままだ。国勢調査では、世帯を同じくする同性カップルの数を把握できない。どれだけの人がどんな課題に直面しているかを知ることができる調査や研究は少ない。

 サイトでは、データを通じて多様な性をめぐる課題を知った人が行動につなげてもらえるよう、さまざまな署名集めやパブリックコメントなど今起きていることを紹介する「アクション」欄も設けている。

 「にじブリッジ」の名称には、性別や性的指向による格差を埋め、個人と社会、世代と世代の「架け橋」になりたいとの思いを込めた。村木さんは「世の中を動かすためにどんどん使って」と呼びかける。

 サイトを活用した無料セミナーも開催中。次は10日午後0時15~45分、ユーチューブでライブ配信する。(花房吾早子)