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 「スマートデバイスが、お年寄りの日常生活の妨げにならないようにします」。中国で5日開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、李克強(リーコーチアン)首相が発表した政府方針にこんな内容が盛り込まれた。新型コロナウイルスをめぐり、中国ではデジタル技術を使った感染対策が進むが、スマートフォンを持たない高齢者が公共施設を利用できないといった弊害が相次いだためだ。

 中国では新型コロナの流行後、移動履歴などから感染リスクを判定する「健康コード」というアプリが普及し、あらゆる場所で感染していない証明を求められる。

 ところが、スマホを持たない高齢者が地下鉄の駅や公共トイレに入ることを拒まれたことが明らかになり、批判が高まった。政府は昨年11月、紙の健康証明書などにも対応するよう全国に通知していた。

 批判の背景には、少子高齢化が進む現状がある。政府系シンクタンクによると、2050年までに65歳以上の人口は3・8億人に達し、総人口の3割近くを占めると予測されている。(北京=高田正幸)