ミャンマー国軍に渦巻く「自己妄想」 米国元大使が分析

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染田屋竜太
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 軍事クーデターで国軍が権力を掌握したミャンマー情勢について、米国の元ミャンマー大使、デレク・ミッチェル氏がオンラインでインタビューに応じた。ミッチェル氏は、クーデターは「国軍による『戦争』」だとし、「正当化の余地はまったくない」と断じた。

 ミャンマーが民主化に歩み出した時期に大使を務めたミッチェル氏。ミャンマーの人たちに向けては、「あなたたちの行動に敬意を表する。できることはなんでもしたい」とのメッセージを発した。

 ミッチェル氏は米国防総省でアジア・太平洋安全保障問題を担当した経験から、アジア情勢に詳しい。ミャンマーが民政移管した翌年の2012年、オバマ政権下で米国としては22年ぶりのミャンマー大使に任命された。アウンサンスーチー氏とも親しく、スーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)が大勝した15年の総選挙も見届けた。現在は、米民主党系のNGOで、世界に民主主義を広める活動をする「全米民主研究所」の所長を務めている。

 ミッチェル氏はクーデターを、「国軍が国民に『戦争』を仕掛けた」として、「ミャンマーの若者の未来を奪い、国の威信を傷つけた」「民主化の時計を10年戻してしまった」と批判した。

 「過去5年間、国軍が(NLDの)民主政権に裏でプレッシャーをかけているという話はあった」としながらも、「ミャンマーの多くの国民も本当にクーデターが起こるとは思っていなかっただろう」とした。

 国軍は、クーデターで大統領を拘束し、空席になったところに国軍系の副大統領を大統領代理に就かせたことを「憲法にのっとったもの」だと主張しているが、ミッチェル氏は、「正当化の余地はまったくない。まったく法に基づかないもので、自分たちの権力を守るためだけの行為」と非難した。一方で、「独立した司法制度がないことから、これが間違っていると国軍に知らせる機関がない」と指摘した。

 クーデターの影響については、「ミャンマーの国際的信頼は落ち、国際投資にも影響するだろう」とみる。さらに、「国民と軍との間の壁は修復しがたいものになった」と話した。

 連日市民のデモが起きていることについて、「人々は生活を犠牲にして民主主義を求めている」と指摘。「国軍は『国をまとめるために』行動したと主張するが、皮肉なことに、国民は国軍への反発、クーデターへの抵抗で強く結束している。この動きが将来のミャンマーの新しい民主化につながってほしい」と望みを示した。

日本が果たせる「重要な役割」

 なぜ国軍はこのような暴挙に出たのか。

 ミッチェル氏は「自己妄想」…

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