第9回ジェンダー歴史展に20代が次々 企画者が感じたマグマ

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聞き手・伊藤恵里奈
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 1971年に朝日新聞で44回掲載された連載「男と女」から半世紀。ジェンダーの視点で、歴史をとらえなおす動きが広がっている。昨年、国立歴史民俗博物館(歴博)で開催された企画展「性差(ジェンダー)の日本史」展は、「なぜ男と女の区分が生まれたか」という視点から、「政治空間における男女」「仕事とくらし」「性の売買と社会」の3テーマで、日本の歴史を見つめ直して話題になった。企画展の代表をつとめた歴博の横山百合子教授(65)は、「展示への反響の大きさに驚きました。世の中にジェンダー格差への怒りや疑問を感じるマグマがたまっていると実感します」と語る。

女性が歴史を研究することも、女性を研究対象にすることも…

 ――ジェンダーの観点からの歴史研究が、日本で本格的になったのはいつごろですか。

 1990年代からです。それまでアカデミズムの世界では、女性が歴史を研究することも、女性を研究対象にすることも一般的には評価されませんでした。

 ――今回の企画展に参加した研究者はどういった方々ですか。

 各時代の歴史研究の専門家で、半数以上が女性です。企画展は、歴博で6年前から始めた共同研究の成果を発表したものです。参加した研究者のうちの3分の1が女性史の分野で何十年も研究をしてきた実績がある方々、3分の1はまだジェンダー視点での論文が1、2本の研究者、3分の1は今までジェンダーの視点で研究をしていなかった歴史研究者、特に男性に意識して声をかけました。

 たとえば近代の官僚制を研究した書籍はいくつもありますが、女性の官僚について書いた本はごくわずかです。歴史学自体が「女性は政治で重要な役割を果たしていなかった」という偏見に影響されてきたのです。

 今回の共同研究では、すでにある資料にジェンダーの視点から光を当てました。各自の専門や視点から性差について議論でき、豊かな気づきがありました。

 ――例えばどんな気づきがありましたか。

 鳥取県の青谷横木遺跡で発掘…

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