「空間除菌」商品の販促中断 ALSOK「誤解の恐れ」

朽木誠一郎
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 警備大手の綜合警備保障(ALSOK(アルソック))が大木製薬と提携する空間除菌用品「ウイルオフ」シリーズについて、2月に発表したプレスリリースを削除し、販売促進活動を控えていることがわかった。ウイルオフは大木製薬が製造販売し、二酸化塩素による空間除菌をうたう製品。2月9日付のリリースでは、両社が販売契約を締結して法人向けに販売を開始し、2021年度に50万個の販売をめざすとしていた。

 リリースには当初、「新型コロナウイルス」「感染症予防」などの文言が含まれていた。だが、二酸化塩素は医薬品医療機器法(薬機法)上の消毒薬として認められておらず、法的には「雑貨」に当たる。特定の菌やウイルスについての効果はうたえず、これらの文言を使った宣伝はできない。朝日新聞がこうした点を取材した後、両社は公式サイトからこのリリースを削除した。

 取材に対して大木製薬は、「リリースの内容は個別の商品の宣伝ではなく、マスクや手洗いなどを含めてウイルスへの感染予防対策をするというもので、薬機法違反には当たらない」との見解を示した。一方、ALSOKは、業界団体がつくる「二酸化塩素製品の広告自主基準」などに基づいた発表としたが、「意図せず消費者に誤解を与える恐れがあると判断」したとして、2月26日に公式サイトでの公開を中止した。大木製薬との販売契約は維持する一方、「現状、全国的に積極的な販売を控えており、事実上セールスは行っておりません」としている。

 厚生労働省は、消毒薬などを噴霧する「空間除菌」は推奨しないという立場をとっている。空気中のウイルス対策について、「人がいる環境に、消毒や除菌効果をうたう商品を空間噴霧して使用することは、目、皮膚への付着や吸入による健康影響のおそれがあることから推奨されていません」と注意喚起している。(朽木誠一郎)