まずは、転職サイトに登録したある40代女性について話をしたい。
勤め先で、がむしゃらに働いてきたが、気づけば男性の同僚は次々と幹部に登用されていた。「他に自分を生かせる場があれば」と転職サイトに経歴をアップすると、転職エージェントから連絡が。「新規事業のトップとして女性を外部から登用したい会社を紹介したい」。その会社は「女性だと強すぎないリーダーシップで、あつれきも少なそう」といっている、との話だった。
だが、話は早々に行き詰まった。
求める条件に「大人数を率いた経験」とあり、彼女は当該事業の経験は豊富だったが、履歴書に書くべき役職としては、少人数を率いた経験しかなかった。
転職エージェントは「管理職経験の面で条件に合う女性がなかなかいなくて困っている」と吐露した。「実質的に大勢を率いたことならあります」と彼女は伝えた。だが、結局、進まなかった。彼女は転職せず、登用の話は今もないようだ。
よりよい候補が現れた結果かもしれない。それでもこの話は、女性登用が進まないいくつもの背景を表してあまりあると思う。
彼女の経歴が乏しいとしたら、必要なキャリアパスが男性ほど用意されてこなかったためでもあるだろう。「女性だと強すぎないリーダーシップ」という「期待」がステレオタイプでしかないのもいうまでもない。そして女性登用は社外から、というパターンだ。
東証1部上場企業の取締役の女性比率はわずかに7.1%で、しかも大半が社外取締役。内部昇格は1.2%にとどまるといいます。なぜ、女性は役員になれないのか。藤えりか記者がポッドキャストで解説します。
8日の国際女性デーに向け、女…
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