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 総務省の接待問題をめぐり、同省の官僚ナンバー2である総務審議官を更迭された谷脇康彦氏(60)。菅義偉首相が力を入れる携帯電話料金の値下げを主導してきた「懐刀」だった。

 谷脇氏は1984年、旧郵政省に入省し、中堅にさしかかる頃から通信畑を歩むようになった。省内では「ミスター携帯」「異能の存在」などと言われ、総務官僚トップの事務次官への就任も確実視されるほど存在感を放っていた。同じく接待問題が発覚し、「体調不良」を理由に辞任した山田真貴子・前内閣広報官とは同期にあたる。

 同省関係者は「携帯電話やインターネット分野の草分け的存在。省内では右に出る者はいなかった」と話す。

 その名が携帯業界に広く浸透したのは、2007年。総務省は市場の競争を促すための報告書を発表し、携帯端末の価格と通信料を分ける「分離プラン」の導入などを提案した。目的は国際競争力の強化で、その中核を担ったのが携帯政策を担う課長職を務めた谷脇氏だった。この後、端末は販売台数が一時低下し、業界内では「谷脇不況」ともささやかれた。

 谷脇氏が制度の見直しに取り組んでいたとき、菅氏は総務副大臣、総務相だった。以前から前例踏襲や既得権益の打破を訴えてきた菅氏にとって、携帯業界にメスを入れる「改革派官僚」の印象は強く、高く評価すべき対象だった。同省幹部は「谷脇氏はとにかく市場に競争を働かせようとやってきた。それが副大臣、大臣だった菅氏に刺さったということだ」と話す。

 「切れ者」で鳴らした谷脇氏だが、省内では「明るく、飾らない性格だった」との評もある。インターネット分野で複数の著書を出版。実名でツイッターやブログを開設した。ツイッターのプロフィル欄には、「役人だけど堅くないっす」と記した。最近では、日本に上陸して間もない音声型SNS「クラブハウス」を試したことを紹介していた。

 第2次安倍政権では、内閣官房…

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