ドリス・ヴァン・ノッテン 40年後の新解釈と本質回帰

編集委員・高橋牧子
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 ドリス・ヴァン・ノッテンは、ベルギー・アントワープ市で撮影した映像で2021年秋冬作品を発表した。先鋭性で世界的に知られるベルギーのコンテンポラリーダンスカンパニー、ローザスなどの47人のダンサーと数人のモデルが新作をまとった。

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 テーマは「情熱への呼びかけ」。ダンサーたちの躍動感あふれる踊りや足のすねのアップ映像など身体性にスポットを当てた映像表現で、いつもよりややドラマチックな新作の魅力を増幅させてみせた。

 サテン風の光沢のある生地のドレスには、衝動的に描いたような抽象柄のプリント。肌を露出したマイクロミニドレスと体が泳ぐようなメンズ風のビッグコートの組み合わせ。華やかなフェイファーとメンズジャケットのミックス。光沢とマット、マスキュリンとフェミニンなど相対する要素がクールに共存する。

 暗い映像の中で、フレッシュピンクやブラッドレッド、ローズやライラックなどの微妙な色合いの明るい色が、はかなげに咲く花のように映えて見えた。

 ロング丈の白いシャツドレスは、ヴァン・ノッテンがまだファッションを学ぶ学生だった頃の1981年に発表した「ファースト・コレクション」の新解釈。デザイナーのデザインのルーツを示すなど「本質への回帰」も今シーズンのキーワードのひとつだったという。(編集委員・高橋牧子)