津波からどう逃げた、証言と映像で 石巻に民間伝承施設

岡本進
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 震災の津波で大きな被害を受けた宮城県石巻市の門脇地区に8日、民間の伝承交流施設「MEET(ミート)門脇」が開館した。住民が津波からどう逃げたかの実際の動きを映像で見ることができ、防災学習の拠点としても期待される。

 伝承活動に取り組む市内の公益社団法人「3・11みらいサポート」が約9千万円かけてつくった。木造2階建てで、約230平方メートルある1階がシアタールームと展示室。津波が来る状況や、住民の避難経路を当時の証言とともに大型スクリーンの映像で見ることができる。大地震があったとき、どう行動すべきかを子どもたちがクイズで学べる場所もある。

 近くで被災した日和幼稚園の園児の焼け焦げた上履きや、津波で両腕がとれた石ノ森萬画館(まんがかん)のヒーロー像も展示。ラジオ石巻の地震発生時の放送も聴くことができるほか、震災直後に手書きで発行した石巻日日新聞の号外も飾られている。

 海側の南浜地区を含め、一帯では約500人が犠牲になった。海沿いでは石巻南浜津波復興祈念公園が28日に開園し、山側には震災遺構となる旧門脇小学校があるため、連携を図る考えだ。県からは4千万円の補助を受け、ほかはクラウドファンディングや寄付などで資金を集めたという。

 みらいサポートの鈴木典行代表理事は「3月11日のことを忘れないように、未来の命を救える場にしたい。小中高生にも当時のことをここで学んでもらいたい」と話す。(岡本進)