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みずほATM障害に印紙税の影 避けられなかった年度末

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箱谷真司、柴田秀並
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 紙の通帳を減らしたい。みずほ銀行のATM(現金自動出入機)障害は、そうした思いを遂げる過程で起きた。通帳をデジタル化してスマホなどで取引できる便利さを顧客へうたう一方で、背景にあるのが印紙税負担を減らす思惑。業界全体で年600億円を超え、低金利に苦しむ銀行にとって、重荷となっていた。

 障害を招いたデータ移行作業は2月27日に始まり、翌28日に問題が起きた。月末も含む2月下旬から3月上旬の作業について、「なぜ取引が集中する時期に」とシステムの専門家は疑問の声をあげる。みずほ広報の説明は「システム開発の完了やお客さまへの告知スケジュールなどを考慮して、年間スケジュールの中で、基準日を設定の上、自動切り替え対象の確定・検証を完了後、自動切り替えのタイミングを決定した」という。作業日程に十分な余裕があったのかどうかは、今後の検証課題となる。

 ただ、みずほ幹部は「時期を決めた当初の考え方は、印紙税(が理由)だった」とも打ち明ける。

 紙の通帳は印紙税が年200円かかる。銀行は通帳を発行する口座数を税務署へ申告するが基準は4月。3月までに減らすと税額を抑えられる目算だった。

 紙の通帳を使わずネットで確認する「e―口座」を広げる方針を発表したのは昨年8月。約2400万の口座のほぼ半数が、数年後に切り替わると見込んでいた。単純計算で年24億円の印紙税軽減だ。ただ、移行作業を4月以降に延期する方針で、当初考えていた効果を期待できなくなる。

 第一勧業・富士・日本興業の旧3銀行が統合したみずほは02年の発足時にシステムの大障害を起こした。その一体化は長年の課題で、19年にようやくグループの信託銀行を含めて実現。ライバルの三菱UFJ・三井住友の両行に業績面で後れをとり、新システムで巻き返しを図っていた。

「拙速」との指摘も

 紙の通帳のデジタル化は3メ…

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