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 山岳信仰の霊場である鳥取県三朝町の三徳山(みとくさん)で、中世の「氷室(ひむろ)」跡とみられる石組み遺構が見つかった。山頂を見通すことのできる数少ない地点に設けられていて、祭祀(さいし)に使う貴重な氷を作るのに神の力を借りようと考えた当時の人の信仰がうかがえるという。

 7日に町総合文化ホールであった町教育委員会主催の調査研究報告会で、教委とともに調査を進めている日本山岳修験学会の山本義孝理事(59)=静岡県在住=が2019~20年度の成果として発表した。古代の氷室は奈良県や京都府で、近世・近代の氷室は全国各地で確認されているが、その間の中世のものは調査が進んでいないという。

 石組みが出てきたのは、山頂から尾根筋に沿って南西へ進んだ位置にある「神倉湯・イケガナル地点」。2年がかりで石組みを掘り出し、石の配列や周囲の状況を読み解くうちに、氷室という考えに至ったという。12世紀ごろに時期をずらしながら計4基があったとしている。

 近くからは集石壇や建物跡とみられる遺構も見つかった。山本さんは「氷は人業(ひとわざ)では決して作れないので、常に神をまつり、作業小屋を配して管理する必要があった。出来上がった氷は祭祀に使われたと考えられる」と話す。

 同じく修験道の霊山である英彦山(ひこさん)、求菩提山(くぼてさん)(ともに福岡県)や大山寺の南光院谷(大山町)にも氷室があったという。(東孝司)