ベラルーシ大統領長男を会長と認めず IOC、差別理由

モスクワ=喜田尚
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 国際オリンピック委員会(IOC)は8日、ベラルーシ・オリンピック委員会が2月に決めたルカシェンコ大統領の長男の会長就任を認めず、同委員会への制裁措置を続けると発表した。同国では1997年からルカシェンコ大統領自身が同国オリンピック委員会の会長を務め、「選手が政治的差別から守られていない」と懸念を深めたIOCが根本的な改革を求めていた。

 ベラルーシでは昨年8月の大統領選での不正疑惑を機に大規模な反政権デモが広がり、一部の選手はデモ参加や政権批判を理由に練習参加を拒まれたり、五輪の代表選考からはずされたりしたなどと訴えた。IOCは昨年12月、調査の末に東京五輪や22年北京五輪に向けた選手支援を除いてベラルーシ・オリンピック委員会への分配金提供を停止するなどの暫定処分を発表し、対応を促した。

 しかし、ルカシェンコ氏は2月26日の同委員会理事会で会長職を退くことを表明したものの、理事会は後任に国家安全保障担当の大統領補佐官だった長男のビクトル・ルカシェンコ氏を選出した。ビクトル氏はそれまでオリンピック委員会でもナンバー2の第1副会長を兼務。IOCは12月の制裁措置の中で、ルカシェンコ大統領とともに、五輪を含むあらゆるIOC行事に参加することを拒んでいた。

 ルカシェンコ大統領は大のスポーツ好きで、しばしば自らがアイスホッケーに興じる姿も披露し、国民に親しみやすさをアピールしてきた。しかし大統領選直後には、複数の五輪メダリストを含む著名選手らが政権を批判する声明を発表。デモ参加を理由に拘束される選手も相次いだ。(モスクワ=喜田尚)