超新星残骸が宇宙線の製造工場? 起源示すガンマ線観測

石倉徹也
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 ケフェウス座の方角にある約2600光年向こうの超新星の残骸が、高エネルギー粒子の「製造工場」になっていることを示すガンマ線を、東京大や中国科学院などのチームが発見した。宇宙から地球に降り注ぐ高エネルギーの粒子は宇宙線と呼ばれ、1912年に発見されて以降、起源は謎だったが、今回の発見で超新星残骸の可能性が高まった。

 宇宙からは、地上の加速器では到底作れない1万京電子ボルト(電子ボルトはエネルギーの単位)という超高エネルギーの粒子が飛来することがある。そんな宇宙線がどこで、どうできるのか。これまでも超新星残骸とする説はあったが、電荷を帯びた宇宙線は、宇宙を漂うガスなどがつくる磁場によって飛行経路が曲がるため、飛来した方向を探るのは難しかった。

 チームは、宇宙線がガスと衝突すると、ガンマ線を出すことに注目。中国チベット自治区に設置した装置で2014~16年にガンマ線を観測し、ケフェウス座の超新星残骸から、極めて強いガンマ線が飛来しているのを確認した。

 超新星残骸は、寿命を迎えた星が大爆発したあと、高速で飛び散るガスがつくる星雲状の天体。爆発の衝撃波によって陽子などが繰り返し加速されて高エネルギーの宇宙線ができ、その一部がガスと衝突してガンマ線が出たとみられる。東大宇宙線研究所の瀧田正人教授(宇宙線物理学)は「宇宙線の起源となる候補が初めて見つかった。ほかの例も探し、起源の解明に迫りたい」と話した。

 論文は1日付の科学誌ネイチャー・アストロノミー(https://dx.doi.org/10.1038/s41550-020-01294-9別ウインドウで開きます)に掲載された。石倉徹也