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被災地派遣の自衛隊員 6.75%でPTSDの疑い

桜井林太郎
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 東日本大震災で被災地支援に派遣された自衛隊員を調べたところ、派遣期間が3カ月以上だったり、派遣終了後の超過勤務が3カ月以上続いたりすると、PTSD(心的外傷後ストレス障害)のリスクが6~7割高まるという研究成果を、防衛医大の長峯正典教授(産業精神保健)らのチームがまとめた。

特集企画「海からみた被災地」

東日本大震災による津波は、陸地だけでなく海の中にも大きな被害をもたらした。大量のがれき、失われた漁場……。あれから間もなく10年。豊かな海はどう変わったのか。震災3カ月後から継続的に被災地の海を潜水取材してきた朝日新聞フォトグラファーたちが報告する。

 長峯さんは「日本は今後も大規模災害が想定される。災害支援はほかの職業でも増えており、派遣中だけでなく終了後も含めた労務管理メンタルヘルス上、重要だ」と指摘する。

 研究チームは震災直後に岩手、宮城、福島などに派遣された約5万6千人の陸上自衛隊員を6年間追跡した。その結果、6・75%でPTSDの疑いがあった。

 PTSDと労働条件との関係を調べたところ、派遣期間が3カ月以上だと、1カ月未満よりPTSDのリスクが75%増えたほか、派遣期間が終わった後に休日出勤や残業が3カ月以上続いた人は、ほとんどなかった人に比べ61%高かった。

 津波で亡くなった遺体を回収したり、原発事故の避難地域での活動で被曝(ひばく)リスクにさらされたりした隊員は、そうではない隊員に比べて18~19%ほどPTSDのリスクが高かった。(桜井林太郎)