第1回小林可夢偉が驚嘆「究極にエコ」 レース車の低燃費技術

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【動画】小林可夢偉インタビュー=中川仁樹、益満雄一郎撮影
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 速さを競うモータースポーツの世界で、環境技術も問われていることは意外と知られていない。燃費の差が勝敗を左右する。

 富士スピードウェイで昨年11月29日に開かれた「スーパーGT」。国内屈指の人気レースの年間王者の座をかけて、トヨタ・GRスープラとホンダ・NSX―GTが最終周まで競り合った。スープラが残り数百メートルでガス欠のため減速。逆転で優勝したNSXも、ゴール後に止まる激戦だった。

 300キロメートルを疾走した2台の命運を分けたのは、ペットボトル1本ほどのガソリンの差。燃費で例えると、1リットルあたり0・01キロもないわずかな違いだ。

 世界でカーボンニュートラル(脱炭素社会)への動きが加速する中、「走る実験室」と呼ばれるモータースポーツでも、燃料を無駄なく燃やし、最大限のエネルギーを取り出す技術の開発が進んでいる。

「最速」が示す車の未来

燃料を大量に使い、排ガスをまき散らす。そんなモータースポーツは過去のもの。いまは高効率エンジンや自動運転の先端技術に挑む場になっています。5回にわたり、レースの現場から未来の車のヒントを紹介します。

 国内で象徴となるのが、日産自動車も含めた3社が激突するスーパーGTだ。最速クラスのGT500は2リットル直噴ターボエンジンに燃料使用量の厳しい規制を導入。600馬力の全開時でも熱効率は40%以上と市販の低燃費エンジンに迫る。燃え残りも排ガスの臭いもほとんどない。本田技術研究所チーフエンジニアの佐伯昌浩は「パワーを出すほど環境に優しくなる。技術水準はF1にも劣らない」と自負する。

 最先端のレースエンジンは、市販車で培ってきた燃焼技術と重なる部分が多い。

 2014年の規制導入後、ホンダはしばらく低迷した。燃費向上の鍵となる燃焼の速さが足りなかった。エンジントラブルも続いた。苦しむ佐伯らを助けた技術の一つが、半世紀前にホンダを救った画期的な燃焼技術「CVCC」の教えだった。

 排ガス規制の米マスキー法を…

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