森氏女性蔑視発言に「猛省」 メルカリ山田CEOの自戒

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聞き手・益田暢子
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 フリーマーケットアプリのメルカリは今年1月、エンジニアと管理職の女性比率を上げるため、社内委員会を立ち上げました。山田進太郎CEO(最高経営責任者)は「ダイバーシティー&インクルージョン(D&I、多様性の包摂)」が企業の競争力につながると断言します。経営戦略として社内の多様性を重視する取り組みについて、山田CEOに聞きました。

 ――創業当時から、経営戦略にD&Iを掲げてこられました。その理由は?

 「グローバルで成功するプロダクトをつくりたいという思いを創業当初からもっています。世界の国々でサービスを提供するにはジェンダー、国籍、宗教など多様なお客さまに対応していかなくてはいけない。そのためには、社内にも多様な人材が必要です。社内の多様性は企業の競争力にもつながります」

 「GAFAM(米IT大手のグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)をみてみると、幹部レベルの女性は多いし、社員の人種や宗教もさまざまです。世界中でよりよいサービスを提供していくには、自然と社内にも多様性が必要になっていくのだと分かります」

 ――メルカリはエンジニアや管理職に女性が少ないことが課題です。

 「エンジニアでは外国籍の社員が半数を占めるまでになりましたが、女性の登用は採用を含めて進んでいませんでした。社員全体でみると、約3割が女性です。女性が人口の半分だとすると、半分近くの優秀な人材を活用できていないことは問題です。経営者として本腰をいれてやっていこうと昨年末から考え始め、今年1月に社内で委員会を立ち上げました。その矢先、東京五輪パラリンピック大会組織委員会での森喜朗氏の発言があって、より一層、自分ができることをやっていこうという思いが強くなりました」

 ――森氏の女性蔑視発言の後、ツイッターで「猛省」という言葉を使って発信されました。社内の女性の少なさに対する反省もあるのでしょうか。

 「それも一つです。経営陣は僕が連れて来た人が多いのですが、仲良くなるのはどうしても男性が多かった。IT関連のカンファレンスは9割以上が男性で、そういう環境の中で人材を選び、自然と今の比率になってしまった。意識的に採用も幹部登用もやってこなかったことは、すごく反省しています」

 「あとは、女性を含めマイノリティーの立場に、なかなか向き合ってこなかったという思いがあります。男性は仕事でがんばり、女性は家庭を守るというステレオタイプな家庭観から、一人一人が自分の能力を思う存分発揮できるような社会になっていくべきなのに、なれていない。社会構造が変わっても、現実的にはガラスの天井があって、経営者には女性が少ないのが実情だと思います」

 ――社内では多様性に対する理解をどのように広めていますか。

 「マネジャー以上は全員、性別などに基づくアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)を知ってもらうための研修を受けてもらっています。マネジャーになるには同僚や上司からの推薦書が必要になりますが、例えば女性の候補者がいるのに男性候補を推薦する場合は、なぜ男性を選んだのか理由を書いてもらう仕組みも導入しました。マイノリティーを意識する機会をさまざまな場所に埋め込んでいくことで、社内の理解を広めています」

 ――男性を選ぶ理由を書かせ…

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