首相会見の違和感、「自分の言葉」あるか 神保哲生さん

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聞き手・稲垣直人
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 菅義偉首相が首相官邸で開く記者会見。日本の政治指導者が公の場で話すというだけでなく、辞任した山田真貴子・前内閣広報官が会見の司会進行役だったため、いま改めて注目されています。安倍晋三、菅両首相の会見にほぼ毎回出席してきたというビデオジャーナリストの神保哲生さんに、政治家の記者会見とは、政治家の発信力はどうあるべきかを聞きました。

 ――神保さんの首相会見での質問は、その突っ込んだ聞き方も含め、SNSでよく話題になります。たとえば1月の会見での神保さんの質問に対し、菅首相は「国民皆保険の見直し」に言及しました。

 「僕は以前から、日本のコロナ感染者数は欧米に比べてはるかに少ないのに、日本の医療がこれほど逼迫(ひっぱく)している原因は何か、その説明責任は政府にある、と考えていました。そこで、あの時の会見で『たとえば政治が法制度を変えれば、この医療の現状を変えられるのでは』と質問すると、菅さんは『国民皆保険、多くのみなさんが診察を受けられる今の仕組みを続けていくなかで、コロナがあって、そうしたことも含めてもう一度検証していく必要がある』と答えました」

じんぼう・てつお 1961年生まれ。AP通信社などを経て、現在、インターネット放送局「ビデオニュース・ドットコム」代表。

 ――首相のあの発言の真意は何だったと考えますか。

 「僕のところに届いた反響には、二つの解釈がありました。一つは、菅さんの答えは答えになっておらず意味不明、というもの。もう一つの解釈は、菅さんの政治信条といわれる新自由主義、公共サービスの合理化という本音がついポロリと出た、というものです。いずれにしろ、唐突に飛び出した発言だったため、戦略的に考え抜いた上での発言だったとは思えません。それよりもあの発言は、日本政治の本質が皮肉な形で表れた、と考えています」

 ――というと?

 「本来なら、首相があのよう…

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