障害者は担任になれないのか 勤続20年、教諭の問い

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野城千穂
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 障害者の雇用が、公的機関でも民間企業でも進んでいる。子どもたちを預かる教育現場も例外ではない。だが、そこには見えない壁がある。「障害者は、ただ仕事が与えられれば良いのでしょうか」。秋田県八郎潟町に住む中学校教諭の三戸(さんのへ)学(まなぶ)さん(44)は、この20年間、学級担任の壁を越えられずにいる。

 生まれつきの脳性マヒで手足と言語に障害がある。段差を乗り越えられず、長距離を移動するには電動車椅子が必要だ。だが教室では、机と机の間を一歩一歩進み、数学の問題を解く生徒たちのそばで見守って声をかける。発音はやや不明瞭だが、生徒たちは難なく聞き取る。「冬休みの間に解き方忘れてるんじゃないの?」。冗談交じりにつっこまれた生徒は、苦笑いしていた。

 「子どもたちが未来の社会を作る。障害があるからこそ先生になりたい」と、山形大の教育学部生だった1998年、教員採用試験を受けた。周囲は「前例がない」と反対したが、自分が子どもと関わることで、障害と共生する社会に変えたいと願った。3度目の受験で採用された。

 だが、当然その先にあると思っていた「普通学級の担任」を、20年経った今も任されたことがない。

教委に訴え、災害時の避難誘導が壁

 公立中学校では、担任になるかどうかは基本的に校長の裁量で決まる。三戸教諭は「これは障害を理由とした不当な差別的取り扱いではないか」と県教育委員会に訴えたが、県教委は次のように否定した。

 「本人の力量、勤務状況、周…

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