Jクラブなき東京23区 区営公園から目指す「世界一」

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照屋健、稲垣康介
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 東京23区からJリーグへ――。そんな夢を抱く各クラブの動きが熱を帯びている。練習場は少なく、ホームとなるスタジアムの確保も難しい人口密集地。多様なスポーツ・文化が集まる首都で、サッカークラブの飛躍はなるか。

 「17年間プロとして自分を追求し、納得のいくキャリアだった。まだサッカーで新しい価値を生み出せると思う」

 2月11日、東京都新宿区の四谷区民ホールで開かれた「クリアソン新宿」の新体制発表会。昨季までJ1サガン鳥栖に所属し、J1通算365試合の出場実績を持つ小林祐三選手(35)が熱弁した。クリアソン新宿は現在、アマチュア最高峰のJFLの下部に位置する関東1部リーグに所属。そこにいま、小林選手ら元Jリーガーが続々と集まっている。ホームタウンは都内有数の繁華街を抱える「新宿」だ。

 2005年に大学のサークル仲間を中心に創設。人口の1割以上が外国籍で、多文化共生を推進する新宿区と、「違いを強みに」というクラブの理念が合致することが本拠にする決め手になった。選手たちはアスリートや学生向けの人材育成研修の講師などをしながら、週3回、区営の公園で夕方から夜にかけて練習に励む。

 最終目標は「世界一のクラブ」で、その夢をつかむための大きなステップがJ昇格だ。2月のJリーグの理事会ではJ参入の前提条件となる「百年構想クラブ」に認定された。「自分たちの理念を発信するにはJリーグという広く愛されている舞台が一番。さらに強くなればアジアそして世界まで舞台が広がっているのがサッカーの素晴らしさだ」と丸山和大代表は語る。

土地確保、大きな障壁

 1993年に10クラブでスタートしたJリーグは今季、J1~3で計57クラブに上る。ただ、都内が拠点のJ1クラブはFC東京のみ。J2のFC町田ゼルビア、東京ヴェルディも含め、主な練習場やスタジアムは23区外だ。

 欧州の首都に目を向けると、スペインのマドリード、イタリアのローマには世界的にも知られるビッグクラブが複数ある。中でも英国のロンドンはアーセナルチェルシートットナムウェストハム、クリスタル・パレス、フラムとプレミアリーグ(1部相当)だけで6クラブ。2部以下を含めれば、さらに増える。人口900万弱の地域に、数万の収容人数を誇るクラブのそれぞれの本拠がある。

 東京23区はロンドンの4割程度の面積で、900万人強が暮らす。交通網も充実し、アクセス面でも集客を期待できる。一方、J昇格には好成績をあげるだけでなく、収容人数などの基準を満たすホームスタジアムが必要だ。まとまった土地の確保すら容易ではない東京では、このスタジアム問題が大きな障壁となる。

 現在J3以上の基準を満たす…

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