習氏持ち上げる声、全人代で急増 歩く間隔で権威表す?

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北京=冨名腰隆
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 中国で開かれている全国人民代表大会(全人代)で、習近平(シーチンピン)国家主席(67)を礼賛する言動が相次いでいる。共産党の「核心」として強い権威を確立した習氏は、来秋の党大会後も最高指導者にとどまるのか。地方幹部の世代交代も進み、次の党指導部体制を見据えた人事が始まっている。

 5日、人民大会堂で開かれた全人代開幕式。軍楽団による「歓迎行進曲」の演奏とともに習氏が姿を見せたが、その後ろに続くはずの李克強(リーコーチアン)首相はすぐに姿を見せず、約5メートルの間隔を空けてようやく入場した。

 かつて党最高指導部メンバーらは2メートルほどの等間隔で歩くことが多かったが、ここ2~3年は習氏とそれ以外の指導者で距離が異なる場面が目立ち、「習氏が絶対的な指導者であることを示すため」(党関係者)の演出との見方もある。

 同日開かれた各地方の代表団ごとの分科会では、党序列4位の汪洋(ワンヤン)・全国政治協商会議主席が「この1年、かつてないリスクに直面する中で歴史的な成果を収めたのは、習近平総書記のかじ取りがあったからだ」と持ち上げた。

 これまで党幹部や国営メディアは、習氏の名を冠した政治思想や「習氏を核心とする党中央の指導」の重要さを説いてきたが、昨年の党中央委員会第5回全体会議(5中全会)以降、習氏個人の手腕を評価する声が急増。全人代では外交トップの楊潔篪(ヤンチエチー)党政治局員や趙克志国務委員兼公安相らも同様の賛辞を送った。

 2018年の憲法改正国家主席の任期制限が撤廃され、22年の党大会で習氏の再任を阻む制度面の壁は「68歳定年」の不文律以外に見当たらない。ただ、米国との対立やコロナ禍の下、経済には多くのリスクが存在し、外交や安全保障面のかじ取りは厳しさを増しそうだ。求心力を維持するためにも、習氏が改めて強いリーダーシップを発揮していく可能性もある。

習氏以外の顔ぶれ 代替わり進む

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