10年後は仙台から川崎へ 横断幕が物語る2クラブの絆

辻隆徳
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 6日にあったベガルタ仙台川崎フロンターレ戦。新型コロナウイルスの影響でアウェー席が設けられない中、珍しい光景が目に入った。仙台サポーターが陣取る一角に、川崎の横断幕が掲げられていた。「復興マッチ」と銘打たれた試合での出来事だった。

 「素直にうれしかったですね。僕らのことを気に掛けてもらって」。そう語るのは、2001年から川崎のサポーター団体で代表を務める山崎真さん(41)。仙台側から「横断幕を掲げたい」と打診があったという。思い出されるのは、10年前のあの試合だ。

 11年4月23日。東日本大震災後、仙台のリーグ再開初戦の相手が川崎だった。川崎の本拠での一戦。試合後、川崎のサポーターから仙台へ1枚の横断幕が贈られた。イタリア語で「頑張れ」を意味する「FORZA」と「SENDAI」の文字。山崎さんは「元々、仙台のサポーターとは仲が良かった。困っている友人がいたら、手を差し伸べるのは当然。そんな気持ちだった」。

 川崎はクラブとして震災当時から復興支援を続けている。今年も仙台と協力してチャリティーオークションなどを実施する予定だ。「支援はブームじゃない」という合言葉のもと活動するクラブの思いは、サポーターにも伝わっている。6日の試合では、川崎の名物「ニュータンタンメン」のカップ麺に、川崎サポーターがメッセージを添えて来場者にプレゼントした。

 「仙台との関係はこの先も変わらない」と山崎さん。11日で震災から10年。月日を経て、今度は仙台の本拠に掲げられた「KAWASAKI」の文字が、2クラブの絆の深さを物語っていた。(辻隆徳)