105系「パンダ」が引退へ コロナ禍、静かにさよなら

大野宏
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 JR紀勢線の紀伊田辺―新宮間で普通電車として使われている車両「105系」が13日のダイヤ改定で引退し、和歌山県内から旧国鉄電車が姿を消す。

 105系は1981(昭和56)年に登場したローカル線向けの電車で、2両編成を基本とし、走行に必要な機器を1両にまとめているのが特徴。県内では和歌山線で電化した84年から運用が始まり、紀勢線は98年から。2009年以降、現在のオーシャンブルーの塗装に順次置き換わった。車体前面の両脇の窓周囲が黒いことから「パンダ」の愛称がある。

 県内では現在、和歌山市の日根野電車区新在家派出所に12両が所属している。木製のブレーキハンドルや網棚、扇風機など随所に昭和の国鉄の名残が見られる。基本は1両3扉だが、4両だけ4扉の車両がある。首都圏で使われていた103系電車を改造したレア車両だ。

 JR西日本は105系の老朽化にともない、車載型IC改札機を搭載し、IC乗車カード「ICOCA」が車内で使える227系電車を代わりに投入。現在、紀伊田辺以南では限られた駅でしか使えないICOCAを、13日以降は県内の全線区で使えるようにする。

 一昨年に和歌山線から105系が引退する際には「ラストラン」イベントがあったが、今回は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、特別な企画はしない。JR西日本和歌山支社は「長年にわたり地域の通勤・通学にご利用いただき、本当にありがとうございました。静かに見送ってやってください」としている。(大野宏)