第2回「物静かな少年」戦場へ 強面司令官、故郷で見せた素顔

有料会員記事

飯島健太
写真・図版
イラン「英雄」の真実 革命防衛隊司令官ソレイマニの死  デザイン・福宮千秋
[PR]

イラン革命防衛隊司令官の死②

 血も涙もない男なのだろうか。米軍が暗殺するほどなのだから――。

 イランの革命防衛隊で20年余り司令官だったガセム・ソレイマニ。米国の前大統領ドナルド・トランプの命令で昨年1月、イラクで暗殺された。米国では「スパイの親玉」と呼ばれていた。

【連載初回】イランVS米国、戦争前夜の緊張

イランのソレイマニ革命防衛隊司令官が2020年1月、米軍に暗殺された。なぜ米軍に狙われたのか。祖国で「英雄」とされる司令官の素顔に迫る。

 はたしてソレイマニはどういう人物だったのか。事件取材では、容疑者や犠牲者と親しい人に会うことができれば知り得ることも多いのが一般的だ。イランでも事情は同じだろう。先入観をひとまず脇に置いて、現場へ向かった。

 首都テヘランから南へ1千キロ、南東部の街ケルマン。巨大な看板が私を迎えた。

写真・図版
ソレイマニが10~20代を過ごした街へと向かう途中、写真に歓迎の言葉を添えた看板が見えた=2020年12月、イラン南東部ケルマン、飯島健太撮影

 「ようこそ、ソレイマニ司令官の心の街へ」

 ソレイマニが10~20代の日々を過ごした土地だ。すぐに殉教者墓園に向かった。

 「ガセム・ソレイマニ 1956年3月21日生 2020年1月3日殉教」。縦140センチ、横60センチの白い墓碑が光る。墓参した多くの人は涙を流していた。

 碑文はこう続く。

 「米大統領の指示で、米中央…

この記事は有料会員記事です。残り871文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

連載イラン「英雄」の真実 革命防衛隊司令官ソレイマニの死(全5回)

この連載の一覧を見る