署名偽造が判明したらどうなる?注目集めるリコール問題

小林圭
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いちからわかる

 Q 愛知県知事を辞めさせるための「リコール署名活動」に問題があったんだって?

 A 署名活動で提出された署名約43万5千筆のうち8割が、無効の疑いがあるんだ。同じ筆跡(ひっせき)や同じ指印とみられる複数の署名が見つかった。すでに死亡している人や「書いた覚えがない」という人の署名もあったよ。名簿(めいぼ)から署名を書き写す作業をしたと話す人も出てきた。大量に署名が偽造(ぎぞう)された疑いがあり、警察が調べているよ。

 Q そもそもリコールって、どういう意味?

 A 「解職請求(せいきゅう)」という意味で、その都道府県や市区町村に住む有権者が首長(知事や市町村長)や地方議員を辞めさせることができる制度だ。議会を解散することもできる。政治に参加する権利の一つで、地方自治法で定められている。首相や国会議員に対してはできないよ。

 Q どうやってやるの?

 A まずは、決められた期間内に、請求に賛成する有権者の署名を集める。必要な数が集まれば住民投票をして、過半数が同意すれば辞めさせられるんだ。今回の愛知県の場合、必要な数は約86万6千筆だったけど、呼びかけ人の「体調の悪化」を理由に、途中で休止になった。提出されたのは約43万5千筆だよ。

 Q これまでに、リコールの署名をきっかけに、辞めさせられた人はいるの?

 A 首長や議員が何人も辞めさせられているよ。最近では群馬県草津町で、町長からの性被害にあったと告発した女性町議へのリコールが成立した。

 Q 署名を偽造したとわかったら、どうなるの?

 A 地方自治法違反罪で3年以下の懲役(ちょうえき)か禁錮(きんこ)、または50万円以下の罰金になる。うその署名がきっかけで、選挙で選ばれた知事や議員が辞めさせられることになれば、民主主義がゆらぎかねない。

 Q リコールのほかに、署名でできることはある?

 A 条例をつくったり、変えたり、なくしたりするように求められるほか、監査をするよう要求できる。求める内容によって必要な署名数が違うよ。これらを「直接請求」と呼んでいる。

 条例で定めて住民投票を実施することもある。沖縄県では米軍飛行場の移設計画をめぐり、海の埋め立ての是非を問う住民投票があったよ。(小林圭)