コロナ禍、「小さな政府」終わりの予感 守るべきは公益

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欧州季評 ブレイディみかこ

 英国では、ウェブサイトやテレビのニュース番組で示される「本日のコロナ情報」が1月から少し変わった。新規感染者や死者の数に、「ワクチン接種者数」が加わったのだ。

 わが家でも、がんを患ったことのある配偶者は「基礎疾患を有する者」のカテゴリーに入っているので、2月に1度目のワクチン接種を受けてきた。通知は配偶者のスマホにSMSメッセージで来た。メッセージには自分で日時を予約するためのリンクが貼られていて、NHS(国民保健サービス)の予約サイトに飛ぶようになっていた。

 息子が通う中学校ではPCR検査が始まった。3月8日からの学校での授業再開に向け、その前週に生徒たちが定められた時間に学校へ行って、仮設の施設で検査を受けた。息子が検査を受けることに対する保護者のコンセント・フォーム(同意書)も、NHSのサイトに行ってオンラインで提出した。全3回の検査を受けた後、生徒たちは毎回、渡されたQRコードを自分のスマホで読み取り、やはりNHSのサイトに飛んで住所や氏名やメールアドレスを登録する。結果もメールで送られてくる。

 「これ、家にWiFiがない生徒はどうやってNHSのサイトにアクセスするんだろうね。スマホを持ってない人とか……」

 素朴な疑問を漏らすと息子が答えた。

 「さあ、どうするんだろうね…

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