日本の漫画家から「謝謝台湾」 震災10年、現地で催し

台北=石田耕一郎
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 東日本大震災から10年が経つのに合わせ、当時、台湾から受けた支援に感謝する催しが台湾各地で続いている。日本台湾交流協会(大使館に相当)は10日から台北市のギャラリーで、日本人漫画家ら80人余りが色紙に描いた感謝のメッセージなどを展示。台湾在住の日本人らが、謝意を刻んだ石碑も建立した。

震災特集「生きる、未来へ」

3月11日、発生から10年となる東日本大震災。愛する人を失った悲しみ、住み慣れた土地に戻れない苦しさ……。さまざまな思いを抱え、歩んできた3家族を通して、被災地のこれまでを振り返る。

震災特集「会いたい、会わせたい」

東日本大震災から10年。行方不明者はなお2500人を超え、今も家族を捜す人たちがいる。遺体の身元捜査を続ける警察、身元が分かっているのに引き取り手がない遺骨……。「会いたい」「会わせたい」。人々の思いが交錯する

 台湾の呉釗燮(ウーチャオシエ)外交部長(外相)は10日、日本台湾交流協会のイベントのオープニング式典に出席し、「台湾が地震や困難に直面したとき、日本もずっと台湾のことを気にかけてきてくれた。世界のどんな国々も、台日のような関係を築いてはいない。今後10年も同じように互いに助け合っていきたい」とあいさつした。

 式典には、震災直後に宮城県で被災者の救助にあたった台湾の救助隊員らも出席。同協会の泉裕泰・台北事務所代表(大使に相当)から記念品を贈られた。

 27人の同僚と被災地で活動した台北市救助隊の劉奎佑さん(43)は「津波のため住居と道路の見分けがつかない状態で、現場にいた日本の警官が『多くの住民がまだ行方不明なんです』と助けを求めてきたことが忘れられない。犠牲になった全ての人々を忘れてはいけないと思う」と語った。

 ギャラリーには、日本の人気漫画家80人余りが漫画のキャラクターと「謝謝台湾(ありがとう台湾)」などのメッセージを描いた色紙のほか、デザイナーの故高田賢三さんの呼びかけに応じて、台湾の人々が作った「起き上がりこぼし」が並ぶ。

 台湾からは震災後、官民合わせて計250億円超の義援金のほか、多くの支援物資が届けられた。

 台湾に住む日本人の有志は今月、こうした台湾の支援に感謝の気持ちを示そうと、台北郊外の淡水駅近くに「日台・心の絆」と題した記念碑を設置した。「謝謝台湾 私たちは忘れない」といった言葉が刻まれている。(台北=石田耕一郎)