NYで夢追う日本人演奏者 コロナ禍だから気づけたこと

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ニューヨーク=鵜飼啓
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 米ニューヨークは、世界中から一流の音楽家が集う都市だ。コンサートホールやミュージカル劇場、ジャズクラブがあちこちに並ぶこの街には、多くの日本人音楽家も夢を追ってやってきた。だが、昨春からのコロナ禍でコンサートやライブはなくなり、街の景色も一変した。それからの1年間、どんな思いで過ごしてきたのか。今もニューヨークで踏ん張るミュージシャンに聞いた。

チップ求めて路上で演奏

 高校3年生でメジャーデビューを果たし、「天才少女」と注目を集めたサックス奏者の寺久保エレナさん(28)は、ニューヨークでの音楽活動に手応えを感じ始めた矢先、コロナ禍に見舞われた。

 2014年に米名門校バークリー音楽院を卒業し、この地に拠点を移したが、当初は日本での活動実績が全く評価されなかった。「日本で有名とか、全く関係なかった。技術や知識があるのか、信頼できるのか、問われるのはそれだけだった」という。

 18年には再び大学で学び直し、著名なジャズピアニスト、ケニー・バロンのバンドで演奏するチャンスを得た。20年春には「少しずつ名前が知られてきたかな」と感じていた。

 ニューヨークで最初の新型コロナウイルスの感染者が確認されたのは20年3月1日。その後、瞬く間に感染が拡大し、同州のクオモ知事は同月12日、500人以上の集まりを禁じる知事令を出した。ニューヨーク観光の目玉、ブロードウェーのミュージカル公演も中止を余儀なくされた。クオモ氏はさらに、20日には必要不可欠な業種以外のビジネスをすべて閉鎖するよう求め、規模にかかわらず集会も禁じた。

 「ツアーやライブで仕事が成り立っていたのが、すべてキャンセルになった」。それまでは、ほぼ毎日のようにジャズクラブなどで演奏していた寺久保さんは振り返る。

 当初は「久しぶりに長い休みが出来た」とも思ったが、1カ月、2カ月と経っても元に戻る気配はなく、心配な気持ちが募ったという。

 「音楽家は次のライブに向け…

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