「思い出の品展示場」、最後の3.11 管理人の心残り

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飯島啓史
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 津波に流されて金具が壊れたランドセルに、縫い目がほつれたぬいぐるみ。二つ折りの携帯電話や位牌(いはい)……。福島県浪江(なみえ)町の「思い出の品展示場」には、津波の被災地で見つかった住民の持ち物が並ぶ。まだ、約1万5千点が残っているが、21日に閉鎖される。

 元町職員で、管理人の川口登さん(71)は「展示場にとって最後の3月11日。残りわずかの日々だが、一人でも多くの人に品を届けたい」と話す。

 町の中心部に近い国道沿いに展示場ができたのは、2014年7月。当時は町の全域で原発事故による避難指示が続いていた。町では沿岸部の請戸(うけど)地区などが津波に見舞われ、がれきから大量の「思い出の品」が見つかっていた。

 墓参りや一時帰宅で訪れる持ち主に品物を返すため、町などが空き店舗を改装し、展示場は始まった。がれき処理を担う環境省が建設会社に運営を委託した。

 川口さんは3年前の3月、60代の男性に祖父の位牌を返した。男性は「がれきの中から、よく見つかったなあ」。位牌に語りかけた。川口さんが、位牌の裏に刻まれた名字と発見場所から持ち主を推測し、町を通して連絡した人だった。

戻ってきた両親の「証し」

 川口さん自身も震災後、大切な品との再会に支えられた。

 あのときの津波で両親を失っ…

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