コロナで止まった劇場、でも仕事増えた 熟練の監督語る

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藤えりか
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シネマニア経済リポート

 コロナ禍で軒並み大変な打撃を受けているはずの映画界にあって、「実はチャンスが増えた」と語る映画監督がイタリアにいる。12日公開のイタリア映画「ワン・モア・ライフ!」(2019年)のダニエーレ・ルケッティ監督(60)。ネット会議システム「ズーム」でインタビューした熟練の監督が語る、そのココロとは。

 まず、「ワン・モア・ライフ!」とはどんな映画か。イタリア南部シチリア島の州都パレルモで妻アガタ(トニー・エドゥアルト)や娘、息子と暮らすパオロ(ピエールフランチェスコ・ディリベルト、48)は、思いがけない交通事故で死んでしまう。死者でごった返す天国の入り口で、役人(レナート・カルペンティエーリ)から、ミスで想定より早く死んだと知り、92分間の猶予を与えられ、役人の案内で地上に戻る。いい加減に送った日々で薄れてきた家族との絆を、最後に少しでも取り戻そうと、パオロは奮闘する。

 ウォーレン・ベイティの名作米映画「天国から来たチャンピオン」(1978年)を思わせるプロットだが、アメフトの名選手を主役にした「天国~」と違い、こちらの主役は妻や娘をいらだたせる中年男性。それだけに、残された時間がわかったらどうするか、多くがより身近に感じるだろう。コロナ禍が長引く中では特にそうだ。原題の「取るに足りない幸せの瞬間」が、今はいかに貴重なことか。

 ルケッティ監督は、フランシ…

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