香港立法会は「ゴム印」に? 制度改変、瀬戸際の民主派

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北京=冨名腰隆 広州=奥寺淳 中国総局長・西村大輔
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 中国共産党が主導する香港の選挙制度改変は、「香港人による香港統治(港人治港)」の原則から「愛国者による香港統治」への転換を意味する。「非愛国的」とみなした立候補者を事前にふるい落とす「資格審査委員会」の設置などで、民主派の政治関与は徹底的に弱められそうだ。普通選挙の実現を目指してきた民主派は、生き残れるかどうかの瀬戸際に立たされる。

共産党関係者「内側からの立て直しだ」

 11日、北京の人民大会堂。選挙制度を改変する決定が棄権者1人を除く全員の賛成で採択されると、習近平(シーチンピン)国家主席は満足そうな表情で拍手に加わった。閉幕後、会見した李克強(リーコーチアン)首相は「一国二制度をより良くし、愛国者統治を堅持するためのものだ」と意義を強調した。

 決定では新たな制度の概要が示された。現行の香港行政長官選挙は経済界や教育界、宗教などの各界代表のほか、立法会(議会)や区議会の議員を加えた1200人の選挙委員の投票で選ぶ仕組みだが、これを1500人に増やす。増員分は主に親中派に割り当てられる見通しで、民主派の影響力は相対的に弱まる。

 現在、民主派が多数を占める117の区議会枠の扱いが焦点となっていたが、決定は明示しなかった。

 立法会も現行の70議席から90議席に増員するが、市民の直接選挙で選ばれる枠が減る可能性が高い。

 さらに大きな改変は、「資格審査委員会」の設置だ。当局のお墨付きを得た委員で構成されるとみられ、「愛国者」でないと判定された候補者は出馬できなくなりそうだ。

 「決定」は制度改変の大枠を示し、改変作業にゴーサインを出すものだ。制度の詳細は、4月以降に予定される全人代常務委員会で定める。

 改変のために持ち出されたキーワードが「愛国者統治」だ。香港マカオ事務弁公室の夏宝竜主任は2月の演説で、香港政治に関わる公職者は、中国の国家制度や共産党が指導する社会主義を守るよう要求。政権は、こうした要件を満たす者が「愛国者」だとして、批判を排除する狙いだ。(北京=冨名腰隆)

体制批判や重要法案反対、失職可能性

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