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 東日本大震災から10年の11日、犠牲者らを追悼する催しが東京都内でも各地で開かれた。

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 千代田区の日比谷公園小音楽堂では、音楽とトークの催し「311未来へのつどい Peace On Earth」があり、地震が起きた時刻の午後2時46分、歌手の加藤登紀子さんら出演者が壇上で手を合わせるなどして、黙禱(もくとう)を捧げた。

 催しは震災翌年の2012年から毎年開催。今年は、新型コロナウイルス感染拡大防止の緊急事態宣言下のため、急きょ、一般の観客は入れず、オンラインによるライブ配信に切り替えた。事務局長の鈴木幸一さん(52)は「笑顔を灯(とも)し、心を交わす追悼の刻(とき)にしたい」とあいさつ。出演者は「亡くなった方へのレクイエム的な思いを込めて」「次の10年が素晴らしい10年でありますように」などと語り、演奏や歌を披露した。

 歌手のYaeさんは「10年を特別と思わず、この先も福島、被災地のことを思い続け、共に歩んでいく」と語り、「名も知らぬ花のように」などを熱唱した。加藤登紀子さんは原発事故後の福島にまつわる詩を朗読し、「時には昔の話を」などをギターで弾き語り。「10年を区切りと思いたい方も多いと思うけど、(被災地は)まだまだ大変な時期」「私たちはこんなに一生懸命生きてるんだし、力があるはず。懐かしい、素晴らしい、美しいねっていう未来をつくりましょうよ」と呼びかけた。

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 立川市の新街区「グリーンスプリングス」では、「3・11の祈り」が催された。震災で被災した反物を材料にした50センチ四方のパッチワーク作品約2600枚を芝生に敷き詰め、午後2時46分、ボランティアら多くの人が目を閉じた。

 宮城県石巻市の呉服店から譲られた被災布を再生して震災の記憶を伝える「できることをできるだけプロジェクト」が企画した。立川、国立市のボランティアを中心に震災翌年の2012年に始まり、パッチワーク作りはこれまでに全国各地のみならず、46カ国に広がったという。

 この日は朝からボランティア約60人が作品を並べる作業などを担った。黙禱後にコンサートを開き、トランペットや木管三重奏などで祈りの調べを奏でた。プロジェクト代表のしおみえりこさん(68)は「1枚1枚に思いが込められている。10年という一つの節目にできてよかった。石巻の人たちにも伝えたい」と話した。(上沢博之、井上恵一朗)

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