常総学院と筑波大も祈り 常総・大川が大学生に好投

編集委員・安藤嘉浩
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 東日本大震災発生から10年になる11日、10年前に震度6強を観測した茨城県土浦市の常総学院野球場で、同校と筑波大の練習試合があった。地震が起こった午後2時46分には試合を中断し、両校の選手らが黙禱(もくとう)を捧げた。

 六回裏、常総学院の攻撃が1死になったところで、球審が試合を止めてバックネット裏の放送席に合図をした。「東日本大震災で犠牲になられた方のご冥福をお祈りし、1分間の黙禱を捧げたいと思います」というアナウンスが流れ、選手がその場で帽子をとる。合図とともに目を閉じた。

 24人の死者、1人の行方不明者が出るなど大きな被害があった茨城県内にある両校。試合前に黙禱することを打ち合わせた。

 神奈川県出身の常総学院・田辺広大(こうた)主将(新3年)は「小学1年生でしたが、すごい揺れを覚えている」と10年前を振り返る。「茨城県も被害が大きかったと聞きます。今はコロナの感染が広がり、野球ができることは当たり前じゃないと感じる。感謝の気持ちを忘れないようにしたい」

 高校生と大学生という珍しい試合も、コロナ禍で実現した。互いに県外チームとの試合を組みにくい。「ご相談したら快く受けて下さった。高いレベルの野球を体験させていただき、感謝している」と常総学院の島田直也監督。筑波大の川村卓監督も「今年はまだ3試合しかできていないので、うちとしてもありがたかった」と言う。

 試合後には、甲子園出場経験を持つ大学生が常総学院の選手にアドバイスを送った。東邦(愛知)の捕手として2年前の選抜大会で優勝した成沢巧馬に、第3試合の戦い方や配球について聞いたという田辺は「投手と捕手が一番成長できるのが甲子園と言われた。楽しみ」と笑顔を見せた。

 試合は常総学院が1―3で筑波大に敗れたが、先発の大川慈英(じぇい)(新3年)が5回を4安打1失点と好投した。9日の試合で自己最速の147キロを計測したという右本格派は「今日は本調子でなかったが、しっかり腕を振ることを心がけた。自信にしたい」と話した。(編集委員・安藤嘉浩