進まぬ帰還、住民は2割 切り札は住民の思いと遠く

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古庄暢
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 住民を戻すことが大きな目標だった福島の復興が転機を迎えている。東京電力福島第一原発事故で出された国の避難指示は約7割の地域で解かれたが、地元で暮らす人は事故前の2割弱にとどまる。国や福島県は「外」から住民を呼び込む政策にかじを切りつつあるが、先行きは見通せない。

「地域コミュニティーは崩れかけている」

 福島第一原発の南西約10キロ、福島県富岡町の下千里地区。耕されなくなった田んぼは雑草が生え、家が解体されたままの更地があちこちにある。

 バラ農園を営む山本育男さん(62)は、近所の人が町に戻らない現実に肩を落とす。「夜、明かりがともった家が少なく、外は真っ暗。寂しいよね。元の地区の姿は取り戻せない」

 原発事故で町全域に避難指示…

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