都心のオフィス空室率が5%超に上昇 5年8カ月ぶり

南日慶子

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 東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)の2月のオフィス空室率は、12カ月連続で悪化して平均5・24%だったと、オフィス仲介大手の三鬼商事が11日発表した。好不調の目安とされる5%を超えるのは2015年6月以来、5年8カ月ぶり。オフィス市況はリーマン・ショック以降、回復傾向が続いていたが、新型コロナウイルス禍で急速に悪化している。

 基準階の面積が330平方メートル以上の賃貸ビルを調べた。コロナ禍でリモートワークが常態化し、フロアを一部解約する動きなどが相次いでいる。コロナ前は空室率が1%台とオフィス不足が深刻で、20年はビルの新規開業が多かったことも背景にある。

 空室率は5区すべてで悪化したが、大規模ビルが多い港区は6・88%、IT企業が集積する渋谷区は5・55%と高い一方、製造業の本社が多い千代田区は3・85%と地域差も出ている。

 市況の悪化を受けて、賃料も下落傾向だ。2月の平均賃料(3・3平方メートルあたり)は2万1662円と、ピークの2万3千円から7カ月連続で下落した。

 森ビルが昨年12月に発表した調査結果では、新たにオフィスを借りる予定がある東京23区内の企業のうち、従来より面積を「縮小」する企業が42%で最多。新たに借りる理由は「賃料の安いビルに移りたい」が最も多かった。オフィスは一般に6カ月前に解約を通知することが多く、実際に空くまでは時間がかかる。空室率は今後も上がる可能性が高く、賃料の下落傾向も続きそうだ。(南日慶子)