銀座見下ろすKK線 行き着いた「とてつもない」将来像

長野佑介
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 銀座の街並みをコの字形に囲むように走る自動車専用道路「東京高速道路」。テナントビルの真上を走り、KK線の通称で親しまれてきた都心の名物道路が、首都高速道路の日本橋地区の地下化計画に伴って、生まれ変わることになった。東京都が行き着いたその将来像とは。

 KK線は1966年、戦後の銀座復興や周辺道路の渋滞緩和を目的に全面開通した。首都高につながり、千代田区、中央区、港区の境界を縫うように走る。全長約2キロで、高架下は「銀座コリドー街」「銀座インズ」「銀座ファイブ」といった名だたるテナントビルだ。首都高と一体と思われがちだが、首都高とは別の会社がテナントの収益をもとに運営しており、通行は無料だ。

 長らく銀座の街並みに溶け込んできた道路は、首都高の日本橋地区(神田橋ジャンクション~江戸橋ジャンクション)の地下化事業が動き出したことで、その役割を終えようとしている。

 地下化は区間の約1・8キロのうち約1・1キロ。総事業費は約3200億円で、昨年11月に工事が始まった。2035年に地下トンネルが開通し、40年に今の高架道路を撤去することを見込む一大プロジェクトだ。

NYやパリのように…

 都は同地区の首都高が地下化されるのを踏まえ、地上に残るKK線をどう活用していくか、19年10月から有識者らによる検討会で議論を重ねた。ニューヨークやパリといった海外都市で鉄道の跡地を観光地や遊歩道に再生した事例を参考に、昨年11月にKK線を遊歩道や広場などに転換して「空中回廊」を目指す提言をまとめた。

 都は2月中旬、提言をもとにその再生方針案をまとめた。2030年代以降、「歩行者中心の公共的空間」として、銀座を回遊できる遊歩道などを整備。車中心から人中心の緑豊かな空間として魅力を高め、「都心の憩いの場」を目指すという。地上7~8メートルを走るKK線について、案では「都心の活発な都市活動を俯瞰(ふかん)でき、希少性のある空間を有している。皇居、日比谷公園、浜離宮恩賜(おんし)庭園などの大規模なみどりとも近接している」と特徴を挙げた。

 「都会のど真ん中で道路が緑に変わるというのは、とてつもなく夢があると思う」。そう期待するのは、小池百合子都知事だ。「都民の皆さんが歩いて楽しむ街にしていくことを実現していきたい」と言う。

 半世紀以上にわたって、都内の交通網の一翼を担ってきたKK線。都は3月17日までホームページ(https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bunyabetsu/kotsu_butsuryu/kk_arikata.html別ウインドウで開きます)で再生方針案への意見を募っている。(長野佑介)