大麻の合法化案、メキシコ下院で可決 麻薬組織に対抗

サンパウロ=岡田玄
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 メキシコ下院は10日、娯楽目的の大麻使用を合法化する法案を、賛成多数で可決した。今後は上院で審理される。ロペスオブラドール政権は麻薬カルテルの資金源を断つためにも法案を後押ししており、娯楽目的の使用が実現すれば、米州ではウルグアイカナダについで3カ国目となる。

 10日に下院で可決された法案では、18歳以上の個人に28グラムまでの所有を認め、娯楽目的での使用を認める。また、自分で使うために、大麻の苗を6本まで個人で栽培できる。ただ、許可なく28グラムを超えて所持した場合、200グラムまでは罰金、200グラムを超えると刑事罰が科せられる。このほか、大麻の栽培や加工、販売、輸出入について国が免許を与え管理する。

 メキシコでは、暗躍する麻薬カルテルが大麻などの薬物の流通を牛耳り、資金源としている。歴代政権はカルテルの取り締まりに力を入れてきたが、ロペスオブラドール政権は「麻薬戦争」では解決になっていないとして反対。代わりに、大麻を条件付きで合法化し、生産から流通まで政府の管理下に置くことで、カルテルの資金源を断とうとしている。

 ただ、国内の世論は慎重だ。メキシコの有力紙エル・フィナンシエロの世論調査では、58%が「大麻使用を法で認めるべきではない」と回答した。

 米州では医療用大麻の使用を認める国が広がっているが、娯楽目的ではウルグアイカナダにとどまる。米国では複数の州で娯楽目的の使用が合法化されているが、連邦法では禁止されたままだ。仮に人口1億2千万人を超すメキシコで合法化されれば、人口規模では最大の大麻市場となるため、カナダや米国の企業がすでに関心を寄せていると報道されている。

 大麻合法化法案は昨年11月に上院で可決されていたが、下院は調査を理由に採決を延期していた。今回、下院で法案が修正されたため、再び上院で審議される。(サンパウロ=岡田玄)