八丁味噌は「県特産品」 農水省第三者委が老舗の訴えに

小川崇
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 愛知県岡崎市の「八丁味噌(みそ)」の老舗2社が国の「地理的表示保護制度」(GI制度)の対象にならず、別に申請した団体の登録取り消しを求めている問題で、農林水産省が設置した第三者委員会は12日、「登録は違法・不当とはいえない」と結論づけた。国はこれを受け、2社の請求を近く棄却する方針。一方で第三者委は両者について「論争に終止符を打ち、尊重し合い、納得する形で県の伝統的産品として発展していくことを願う」と提言した。

 岡崎市の老舗2社は2015年に八丁味噌の登録を農水省に申請したが、生産地の範囲などを巡って調整がつかずに取り下げた。一方、別に申請した「愛知県味噌溜醬油(たまりしょうゆ)工業協同組合」(名古屋市)の八丁味噌が登録されたことから、2社が18年に国に不服審査を請求していた。

 農水省はいったん審査請求の棄却案を示したが、19年9月に総務省の行政不服審査会が「現時点で妥当とはいえない」と答申。農水省は第三者委員会を設置して八丁味噌の社会的評価や製法などについて調査を進めていた。第三者委の報告書は、老舗2社と組合のみそについて「品質上の有意な差は認められない」としたほか、「八丁味噌は県の特産品として広く認知されている」などと認定した。

 老舗2社などでつくる八丁味噌協同組合は「今後の対応については、最終的な国の判断を待ちたい」、県味噌溜醬油工業協同組合は「2社を拒絶しているわけではない。お互い協力してやっていきたい」としている。(小川崇)