香港の選挙制度改変「譲歩の余地なし」 中国幹部が会見

北京=冨名腰隆
[PR]

 中国の全国人民代表大会が香港の選挙制度を「愛国者による香港統治」へ改変する決定を採択したことを受け、中国政府で香港政策を統括する香港マカオ事務弁公室の張暁明副主任らが12日に会見し、「(制度改変への)譲歩の余地はない」と正当性を訴えた。愛国者の基準は「香港の安定を損なわないことだ」とし、反中デモ参加者らを排除する考えを鮮明にした。

 張氏は制度改変の意義について、「現在は反中分子が政府機関や統治構造に入れる仕組みだ。選挙が民主的かどうかではなく、権力を奪うか奪われるかの問題だ」と主張。一国二制度を維持するための「必要な制度修復だ」と強調した。

 また、改変の柱となる「愛国者」の判断について、張氏は、国家主権を守る▽国の根本制度を尊重する▽香港の繁栄と安定を損なわない、などが条件になると指摘。反中勢力や平和を乱す者は「香港統治から排除する」とした。ただし、「穏健な民主派」については「法に基づいて立候補できる」とも述べた。

 欧米諸国は中国の決定に批判を強めている。ブリンケン米国務長官は11日、「中英共同声明が約束した香港人による自治に対する直接的な攻撃だ」とのコメントを発表。同盟国などと団結して声を上げていくとした。英国のラーブ外相も声明で「中国が国際的な責任や法的義務を損ねるものだ」と批判した。

 一方、日本外務省が11日に発表した「看過できない」との談話に対し、在日中国大使館は12日、「中国内政への乱暴な干渉であり、強烈な不満と断固反対を表明する」とのコメントを出した。(北京=冨名腰隆)