自動運転、広島大で定期運行開始 買い物支援へ実証実験

北村浩貴
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 広島大学広島県東広島市鏡山)で15日、自動運転車の定期運行実験が始まる。産官学が連携し、アプリで予約できる「デマンドバス」の運行や買い物支援といった実証実験も進んでおり、先端技術を活用した「未来都市づくり」が本格的に動き始めている。

 実験に先駆けて10日、広島大東広島キャンパスで報道陣に車両が公開された。

 米メイ・モビリティー社製の電気自動車で、長さ約4・5メートル、幅約1・6メートル、高さ約1・9メートル。センサーやカメラ、ミリ波レーダーが搭載され、障害物が出てきても自動的に停車する。定員は4人だ。

 構内16カ所に停留所を設け、1日計12便、全長5キロを走る。時速19キロ以下で、2種免許を持った乗務員1人が乗り込む。毎週金曜は一般にも開放する予定だ。

 自動運転は、都市部では渋滞解消、過疎部では新たな交通機関などの役割に期待が寄せられている。使用車両は米国の4都市で運行実績があり、安全性にも問題はないという。試乗した越智光夫学長は「乗り心地はまずまずスムーズ。止まっている自動車を自動運転でよけたのは驚きだった」と感想を述べた。

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 実験は、東広島市や広島大、商業施設「ゆめタウン」を展開するイズミ(広島市)、ソフトバンクやトヨタ自動車などが出資する移動サービス会社「モネ・テクノロジーズ」(東京都)などがつくるコンソーシアムが展開する。県警や中国運輸局もオブザーバー参加している。

 複数の交通機関から最適な移動方法を提供するサービスを「MaaS(マース、モビリティー・アズ・ア・サービス)」と呼ぶ。コンソーシアムはその発展型として、オンラインで購入した商品をスーパーで受け取る客の送迎や商品の配送などを最適な交通手段で担う「小売りMaaS」の実現を目指す。その手段に自動運転車を導入する構えだ。

 高垣広徳市長は「(自動運転は)色々なサービスと融合した取り組みが必要となる段階だ」と指摘する。自動運転と小売りMaaSの導入で、子育て世帯や共働き世帯、高齢者に対し、効率的な買い物支援サービスを提供する狙いだ。

 実用化に向けて、段階的に実証実験が進む。広島大と周辺では2019年度から、アプリで乗車予約できる「循環デマンドバス」の運行を開始。今年2月からはデマンドバスを利用した小売りMaaSの実験もスタートさせた。

 自動運転車の実験は8月末まで続く。9月以降、この車両を使って広島大と市内の商業施設を結び、実際に利用者と商品を送迎・配送する実験にも入る。コンソーシアム代表の藤原章正副学長は「最終的には主要な公共施設への接続も考え、徐々に延長していけたら」と話している。(北村浩貴)